杉花粉

杉花粉

今年の杉花粉はすごい。車を2時間くらい運転してきたが 泥ハネを浴びたかのごとく薄黄色の汚れがこべり付いている。私はアレルギー体質だが、幸い花粉にはそれほど敏感に反応しない。

 

多くの人のお腹に回虫など虫がいた時代があった。その頃は杉花粉症などという言葉はなかった。免疫と虫の出す成分の微妙なバランスを保ち、人間と虫の共存共栄が成り立っていた。

 

第二次世界大戦後、日本に米軍が駐留、統治することになる。そのころ日本は畑の肥料に下肥を使用していた。野菜を食べれば当然虫の卵が体内に入ってくる。お腹に虫が住み着くという図式です。

 

下肥を使用する習慣のないアメリカからきた兵隊さんにとって、虫をお腹の中に飼うのは初体験となる。多くの兵隊さんたちはたちまち腹痛をおこしてしまった。

 

それを知ったマッカサー元帥は日本中にお腹の虫の駆除を通達しました。その後、何年かでお腹の虫は人間の体内から消えて行きました。そのことが人間の抗体と抗原、つまり免疫とアレルゲンの関係を変えてしまったのです。

 

日本では免疫と虫の出す成分とが本当に長い時間をかけ優しい関係をつくってきました。虫の成分が免疫の外敵探査センサーをすっぽり覆っているので、花粉などが体内に侵入してきても全く反応しないのです。人間の体に変化は起きません。

 

マッカーサーの命によりその絶妙なバランスはある日突然破壊されてしまいました。人間と虫の良い関係が絶たれたのです。

 

それ以来免疫たちは、杉花粉などの異物が体内に侵入すると、外敵と判断し攻撃を加えます。それがアレルギーの症状として現れるのだそうです。